思い出
夜、洗濯物を干して、月を見上げた。
昔からよく聴くバンドの音楽を流しながら。
このバンドは失恋の曲が多くて、切ない。
3年前の、君と付き合っていた頃を思い出した。
当時私は24歳。
半同棲みたいな君との生活が嬉しくて、幸せで。
私は君の洗濯物を干す瞬間が、とても愛おしくて好きだった。
冬の朝早く、日が昇る前、藍色の時間。
君より早く起きて、窓を開けてヒンヤリする風を感じて。
寝てる君を感じながら、外の藍色を噛み締める瞬間が好きだった。
日向ぼっこしながら、太陽の動きに合わせて移動しながら眠る君が猫みたいでさ、とても愛おしかったんだ。
君の事好きだったなあ。
あの時確かに幸せがそこにはあったんだ。
私はあの時とても幸せで、満たされていた。
昔の幸せが懐かしくて、切なくて、恋しい。
もう戻れない時間、君とは会えない。
終わった時間。